NJM2073オーディオアンプ (3)バッファアンプによる高音質化の試み(オペアンプの場合)

NJM2073アンプをもっと高音質化する方法はあるか?

そもそも今回のパワーアンプはスマートフォンを音源としてスピーカーを鳴らすために作ったものである。しかし、一般的には音源とパワーアンプの間にプリアンプを入れた方が、音質上好ましい。

私はオペアンプが大好きである。
そこで今回は、音源とNJM2073アンプの間にオペアンプを使ったボルテージフォロアのバッファアンプを入れて音質の向上を図ろうと思う。ボルテージフォロアとは電圧増幅率1倍で歪みが最小となるアンプである。バッファアンプとは回路同士の干渉を防ぐために間に入れるアンプである。
対象となるオペアンプはDIP8パッケージの一般的な物で、2回路入り、正負電源±15Vで使用可能で、ユニティゲインで安定なものである。この場合、正負電源を用意するのがネックとなる。

そこで、今回はレールスプリッタICであるTLE2426を使って単電源から正負電源を得ようと思う。今回はTO-92パッケージのTLE2426CLPを用いた。

回路図を見てほしい。TLE2426CLPを上から見た図で端子3にACアダプタのプラス端子をつなぎ、端子1にマイナス端子をつなぐ。そして端子2を仮想グランドとして基板のグランドにつなぐ。

〈回路図〉

図でR1、R2は保護抵抗である。C1とR3、C2とR4はそれぞれ直流をカットするためのハイパスフィルタであり、コンデンサ容量を0.33μFとするとカットオフ周波数は約5Hzである。

まず、ユニバーサル基板と銅張基板を張り合わせたものを作る。基板の表側に部品・配線を表面実装をした。基板の裏に広いグランドプレーンを持たせた。DIP8のICソケットを使いオペアンプの差し替えを可能にしている。

〈基板表写真〉

この写真では、SOP3パッケージであるAD8599ARZをDIP8への変換基板に付けたものを使用している。

〈基板裏写真〉

バッファアンプとNJM2073パワーアンプとをつないでみる。今回はACアダプタを2個使っているが、シャーシに収める際には電源は共通でいいだろう。

まず、バッファアンプに使用するオペアンプにNJM4580DDを選んでみた。
なぜ4580なのか?
4580は性能が高いオペアンプであり、音響用のみならず工業計測用にも最適である。しかも安価である。
さて、パワーアンプにバッファアンプを追加すると、音楽での再生音はシャープになり、音の奥行と広がりが増した。これは音質の向上といえる。4580は音源の信号を忠実につなげている印象を受ける。その音質には妙な色付けがなく、中立的でモニター的である。NJM4580はオペアンプの音質評価において基準になるように思われた。

なお、趣味としてのオーディオにおいては、むしろ好みの色付けがあった方が望ましいことがある。極端な例であるが、OPA627は高性能の高級オペアンプだが、その再生音は原音に程よい艶が乗るように感じられる。一方、4580には艶の要素は全くない。

そもそもオペアンプは増幅、演算、発振、フィルタ、計測、センサ等多用途に使われるものであり、オペアンプ自体は決してオーディオ専用とは限らない。製造されているオペアンプが理想オペアンプならオーディオの音質は一種類のはずだが、実際には様々な種類のオペアンプが販売されており、それらをオーディオに使ってみると音の違いがあることに驚かされる。そしてオペアンプが示す音質が必ずしも電気的特性と相関しないことがあるのが不思議である。

Hi-Fiオーディオの観点からはTDA2822とNJM4580の組み合わせが歪み感が少なくてまっとうな気がする。また、NJM2073とAD8599の組み合わせはエモい音で、趣味のオーディオ的な別格感がある。

〈結論〉

NJM2073パワーアンプの前段にオペアンプⅠCによるバッファアンプを追加すると音質が向上する。バッファアンプのオペアンプを差し替えると、ある程度の音質の変化が楽しめる。

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