新冠町レ・コード館に行く

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2026年5月10日に新冠町に行きました。札幌から車で向かう途中で、ずっとAIの事を考えていました。
今や、AIは人間より賢いです。AIが人類全体の知能を上回るのをシンギュラリティ(技術的特異点)というそうですが、その日は遠くないそうです。
そう聞くと背筋がざわっとする人がいるかもしれません。でもご安心ください。
試しに2桁の数同士の掛け算を暗算でしてみてください。それから、次に同じ計算を電卓でしてみてください。電卓の方が圧倒的に速くて正確です。そう、私もおそらくあなたもAIどころか電卓にも勝てていないのです。

さて、AIは最近身近なものになりつつあります。AIを使ってみないことには評価できないでしょう。ですので、グーグル・ジェミニに質問をしてみました。

「車のエンジンの回転数を計るメーターをタコメーターというのはなぜですか?海の生物ですか?」
タコな質問をしてしまいましたが、ジェミニは親切に答えます。タコメーターの語源は海の生物の蛸ではなく、ギリシャ語で速度を意味する「タコス」なのだそうです。

次、
「AIでジェミニとチャットGPTではどちらが賢いですか?」
鼎の軽重を問うが如き失礼な質問ですが、ジェミニは冷静に答えます。
どちらかが一方的に賢いということはなく、得意分野が大きく異なるのだそうです。
「お前なめてるんか!」と感情的になることなく、大人の回答ですね。

さらに、
「カフカの『城』を要約してください。」
若い時にカフカの小説「城」を読みましたが、今まで読んだなかで一番意味不明な小説でした。測量士の主人公が仕事で呼ばれた城に行きたいのですが、いろいろな邪魔が入って結局行けないままで終わります。カフカは不条理をテーマにした作家ですが、この「城」を読んでいるときには、とにかくもどかしくてイライラしました。
ジェミニはすらすらとあらすじを述べ、作品「城」に対する代表的な解釈についても語ります。ジェミニすごいです。なんだか、短時間で作品をわかったような気分になりました。

なんだか脱線してしまいました。
新冠町が目的地の「城」であるのに、なかなか行きつかない主人公のようです。

新冠町に着き、「レ・コード館」に入りました。
ここは、アナログレコードを集めた資料館です。訪れた時には100万枚を超えるレコードがあるとのことでした。建物は中心にエレベーターホールがある円筒形で、断面を見るとドーナツ盤のようです。

ここでは、レコードの試聴をすることができます。
装置はオールホーン形式の4ウェイスピーカーです。ウーファーは3メートルを超すストレートホーンであり、試聴室裏に設置されています。
この日のその時間の試聴者は私のみでした。

オペラカルメンから「闘牛士の歌」、マイルス・デイビスの「いつか王子様が」、アースウィンドアンドファイヤーの「セプテンバー」をリクエストしました。
低音がさわやかに抜ける感じでした。この音を聴くとバックロードホーン方式が妥協の産物だということを痛感します。しかしながら、一般家庭でこのような大がかりなホーンシステムを構築するのは難しいでしょう。オーケストラの弦楽器の音が少しきつい感じがしたのは録音のせいだったでしょうか。ラッパで弦の音が出せるというのは不思議であります。マイルスのトランペットはヒリヒリする感じが無くて良好でした。セプテンバーではホーンセクションのファンキーなノリの良さが目立ち、すごくいい感じでした。

人類が残したアナログレコードや書籍、ビデオ画像などのアナログデータはAIにまだまだ十分に取り込まれてはおらず、ごく一部にとどまるのだそうです。その意味ではレ・コード館はAIがシンギュラリティに到達するための未開拓な文化遺産を多数保有している貴重な施設と言えるでしょう。

レ・コード館の展望台に上がると「ウマ娘」の立て看板がありました。新冠町は競走馬の産地として有名です。馬はめんこい。美少女はかわいい。この両者を合体させてウマ娘というキャラクターができたのですが、このような芸当がAIにも可能なのでしょうか? ジェミニに聞いてみると、ウマ娘のような魅力的なキャラクターをAIを使って創造・構築することは技術的には十分可能なのだそうです。ウマ娘のすごさはG1レースに出た往年の名馬の性格やエピソードをキャラに落とし込んで個性を出していることです。そのようなデータを読み込ませることでAIがキャラを生成できるのだそうです。ユーチューブで往年の名レースの競馬実況中継に合わせてウマ娘達が懸命に走る動画を見ると結構興奮します。しかも牡馬も美少女にしてしまう力業です。ウマ娘の他にも、名刀を美少年キャラ化した「刀剣乱舞」や大戦中の軍艦を美少女化した「艦これ」とか、擬人化のやりすぎ感があるゲームがあります。このようなキャラの創造力や想像力もAIが持てたかどうか、私にはいささか疑問です。

ニッパー君です。

さて、ジェミニへさらに質問をしてみましょう。
「AIは全知全能ですか?」
結論からいうとAIは全知全能ではないそうです。その理由として、①AIは人間の感覚や現実体験や意味を理解しているわけでないこと、②この世界にはまだ人間が観測・データ化していない未知の現象が存在すること、③学習データの偏りや誤りがあるとAIは間違った出力(ハルシネーション)を行うこと、④計算資源と電力エネルギーの制約があること、⑤倫理・価値観の正解は一つではないこと、をジェミニは挙げています。そして、ジェミニは、「AIは人間の知能やデータ処理能力を極限まで拡張する強力なツールですが、どこまで行っても計算機の域を出ることはありません」と語っています。

私はAIは全知に近づいていっても、全能になることはないと思います。水道管の水漏れ修理や庭の草取りなどは、AIではなく人間がやらなければならないのです。

AIはビッグデータを扱うのが得意で、しかも言語の壁を越えています。私はユーチューブを見るのが好きです。しかし動画の中には時間が長いものがあり、今まではそれらを2倍速や3倍速にして早口のナレーションで聞いていました。最近ではAIが動画の要約をしてくれる機能に気づき、これには重宝しています。

最後の質問です。

「ユーチューブの動画で日本語のナレーションの漢字の読み方がしばしば違います。それって直せないのですか?」

結論からいうと技術的には簡単に修正できるが、動画作成者が修正していないか気づいていないのが理由だそうです。投稿者が外国人である可能性もあるとのことです。

さて、この日は午後に「ディマシオ美術館」に行き、夕方に温泉「レコードの湯」に入って帰りました。レコードの湯から夕陽が見えました。

陽は沈み、陽はまた昇ります。

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